エフェクターのように目立つ効果が無いので、フットスイッチは非常に地味な存在です。
しかし、エフェクトシステムのコントロールにフットスイッチは欠かすことができません。
フットスイッチについて理解できると、エフェクトシステムを適切に構築することが可能となります。
今回は、ギタリスト・ベーシスト向けにフットスイッチの解説をしていきます。
フットスイッチの種類
汎用性の高いフットスイッチである FS-6 |
フットスイッチは 2 種類に分けることができ、それぞれの動作を覚えておけばエフェクターをしっかりとコントロールすることができます。
ラッチ (オルタネイト) スイッチ
ボタンを押した後に手や足を離しても ON / OFF 状態を保持する方式がラッチ
(オルタネイト) スイッチです。
ギタリストやベーシストにとっては、通常のエフェクターのスイッチと同じ動作と認識してもらうと分かりやすいと思います。
フットスイッチとしてエフェクターのコントロールに使用する場合、ON / OFF の切り替えに使用する場合が多いです。
アンプのチャンネル切り替えから、エフェクター用の外部スイッチとして定番のラッチスイッチ
(オルタネイトタイプ)。電池は LED
を点灯させる為だけに使用され、電源がなくとも作動します。
アンラッチ (モーメンタリ) スイッチ
ボタンを押している間だけ ON 状態になる方式がアンラッチ (モーメンタリ)
スイッチです。
ギタリストやベーシストにとってはあまりなじみのないスイッチですが、踏んでいる間だけエフェクトが ON
になると認識してもらうと分かりやすいと思います。
フットスイッチとしてエフェクターのコントロールに使用する場合、ディレイなどのタップテンポの入力や、場合によっては エフェクトの ON /
OFF の切り替えに使用する場合があります (後述)。
タップテンポ入力やシーケンサーのスタート・ストップなど、外部スイッチとして定番のアンラッチスイッチ
(モーメンタリータイプ)。極性切替スイッチも搭載し、多種多様な機材にご使用いただけます。
[番外編] MIDI フットスイッチ
上記のフットスイッチ以外に、MIDI 信号によりエフェクトをコントロールするスイッチも存在します。
今回は説明を割愛しますが、コントロール幅が広いスイッチなので非常に便利です。
昨今流行りの多機能マルチエフェクターをコントロールする場合にオススメです。
10
個のフットスイッチを搭載し、フットペダルも接続できる拡張機能も備わった
USB-MIDI フットコントローラー。内蔵単 4 充電池もしくはバスパワー駆動。
フットスイッチ選びの注意点
フットスイッチを導入するうえで、注意してほしい点がいくつかあります。
最終的には使用する機材の説明書を確認してきただき、ご自身の判断で選択いただく必要があります。
適合するフットスイッチを見極める
前述したようにフットスイッチはラッチとアンラッチの 2 種類に分けることができ、下記のような用途で使い分けられます。
一般的なエフェクターを ON / OFF する場合
エフェクターを ON / OFF
する場合、ラッチタイプのフットスイッチを購入すれば問題ありません。
BOSS や STECH21 のエフェクター、Marshall アンプ
の操作はラッチタイプのエフェクターで行うことができました。
アンプのチャンネル切り替えから、エフェクター用の外部スイッチとして定番のラッチスイッチ
(オルタネイトタイプ)。電池は LED
を点灯させる為だけに使用され、電源がなくとも作動します。
一般的なエフェクターでタップテンポを入力する場合
一般的なエフェクターでタップテンポを入力してディレイタイムなどを調整する場合は、アンラッチタイプのフットスイッチを購入すれば問題ありません。
Jim Dunlop
のエフェクターの操作はラッチタイプのエフェクターで行うことができました。
タップテンポ入力やシーケンサーのスタート・ストップなど、外部スイッチとして定番のアンラッチスイッチ
(モーメンタリータイプ)。極性切替スイッチも搭載し、多種多様な機材にご使用いただけます。
一部製品でエフェクターを ON / OFF する場合
とても紛らわしいのですが、一部製品でエフェクターを ON / OFF
する場合にアンラッチタイプのフットスイッチが必要になる場合があります。
具体的には Line6 HX Stomp や TC ELECTRONIC M100
はアンラッチタイプのフットスイッチでエフェクトの ON / OFF を行います。
そのため、フットスイッチを選択する際は、使用したい機器の説明書をしっかり確認する必要があります。
FS-6 や FS-7 はラッチとアンラッチタイプの切り替えが可能 |
ただ、TC ELECTRONIC M100
の場合にはスイッチタイプの記載が説明書にもなかったので、ラッチとアンラッチの変更が可能なフットスイッチを選択しておけばどのような事態にも対応可能なのでおススメです。
ラッチとアンラッチはもちろん、極性の切り替えもできるデュアルタイプのフットスイッチ。それぞれのスイッチを独立させて仕様変更が可能です。
エフェクトボードに搭載する場合は底面や電源供給仕様にも注目
エフェクターボードにフットスイッチを搭載する場合は、底面の仕様や電源供給にも注意をする必要があります。
まず、エフェクターボードにフットスイッチを搭載する場合、多くの場合マジックテープで固定することになると思います。
その場合、フットスイッチ底面のゴム足が除去できるタイプである必要があります。
実はBOSS の FS-5、FS-6
は非常に優れたフットスイッチですが、底面そのものがゴム製で、マジックテープでの固定が難しいという問題があります。
FS-6 は底面がゴム製であるためエフェクターボードへの固定が難しい |
マジックテープでエフェクターボードにフットスイッチを固定するのであれば、BOSS
FS-7
のようにゴム足が除去できるタイプのフットスイッチが望ましいと思われます。
また、電源供給仕様についてもエフェクターボードに搭載する場合は、外部から電源供給が可能である方が、度々電池を交換する必要が無いので便利です。
FS-6 の駆動方式は電池駆動のみ |
BOSS FS-7
であれば、外部から電源の供給が可能なのでこの点も問題ありません。
A / B 共通ですが、ラッチとアンラッチの切り替えも可能です。
2
つのスイッチを前後に配置した多機能フットスイッチ。エフェクトボード内でスペースを取ることもなく、組み込みやすい縦型ボディ。スイッチはラッチとアンラッチの切り替えも可能でさまざまな機器に対応します。
最後に
今回は、ギタリスト・ベーシスト向けにフットスイッチの解説をさせて頂きました。
フットスイッチについて理解できると、エフェクトシステムを適切に構築することが可能となります。
ラッチとアンラッチタイプのフットスイッチを用途によって使い分けていくことになりますが、最終的には使用する機器の説明書を読んで適合するフットスイッチを見極めましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ラッチとアンラッチはもちろん、極性の切り替えもできるデュアルタイプのフットスイッチ。それぞれのスイッチを独立させて仕様変更が可能です。
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つのスイッチを前後に配置した多機能フットスイッチ。エフェクトボード内でスペースを取ることもなく、組み込みやすい縦型ボディ。スイッチはラッチとアンラッチの切り替えも可能でさまざまな機器に対応します。
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