このページにたどり着いた方は、臨床工学系の学生の方で、医療機器メーカの研究開発職への就職を目指している方だと思います。
初めに申し上げておくと、臨床工学系の学生が医療機器メーカの研究開発職に就くことは困難を極めます。
しかし、しっかりと道筋を立てて準備をしていけば、臨床工学系の学生からでも医療機器メーカの研究開発職に就くことができます。
今回は、医療機器メーカの研究開発職の目指し方について、臨床工学技士を目指して勉強中の学生を対象に説明していきます。
ちなみに、私は大学で臨床工学技士国家試験を取得し、大学院に進学、その後医療機器メーカで研究開発職に就いているので、多少なりとも参考になる情報をお伝えできるかと思います。
医療機器メーカで研究開発職に就くための道筋
臨床工学技士国家試験の取得を目指している学生の大半は、病院での就職を目指していますが、中には私のように医療機器メーカの研究開発職に就きたいと思う方も 1 % 程度いると思います。
その方たちに向けて医療機器メーカで研究開発職に就くための道筋を述べていきます。
まず臨床工学技士国家試験から逃げないこと
大前提として医療機器メーカでの就職に、臨床工学技士国家資格は全く必要ありません。
医療機器メーカ勤務の同僚には医療系国家資格保有者は何人かいますが、ほんの僅かです。
しかし、履歴書や面接などであなた自身が在学中に身に着けた能力として医療機器に関する知識を押していくためには、臨床工学技士国家資格は取得して損のないものです。
第 2 種、第 1 種 ME 技術実力検定試験についても同様です。
臨床工学技士系の学生の工学知識は臨床工学に特化しているため、他の工学専攻の学生よりも工学の知識が劣っていることは明白です。
そんな状況で他の就活生と同じ土俵で勝負するためには、臨床工学技士系の学校で学んだ医療機器の知識を押していくことは必須ということができます。
また、医療機器メーカでの就職活動に失敗した際の保険にもなるので、そういう意味でも臨床工学技士国家試験からは逃げないことをおススメします。
臨床工学技士国家試験への心構えや勉強法などについては、下記にまとめているので参考にしてみてください。
本気なら大学院への進学も視野に入れるべき
研究開発職の就職は大学院卒の方が有利 |
近年の医療機器メーカの研究開発職の最終学歴の傾向は大学院卒が 8 ~ 9 割程度で、残りが大卒という構成になっています。
もちろん、学部時の成績や研究成果等アピールポイントがある場合は、大卒見込みでも医療機器メーカの内定を取得することはできますが、採用実績から考えると非常に難しいということができます。
医療機器メーカの研究開発職の就職活動では、在学中の研究成果やそのプロセスを武器にしていく必要がありますが、そういった能力は大学院まで進学して研究に従事することで身につくものだと思います。
そのため、医療機器メーカで研究開発職を目指す場合は、大学院への進学も視野に入れるべきです。
医療機器メーカの研究開発職への就職を目指すのであれば、修士課程程度の学歴があると有利に就職活動を進めることができます。
何はともあれ就活してみることが大事
色々述べてきましたが、大卒見込み、外学院卒見込みに関わらず、まずは就職活動を行ってみることが一番大切です。
私が在学していた時も「医療機器メーカに就職したいなー」と日々ぼやいていた同期達の中で、実際に医療機器メーカへ就職活動を行ったのは私を含めて 2
人だけだったと記憶しています。
就職活動を行わないことには、何のチャンスも生まれません。
まず、就職活動を行って第一歩を踏み出すことが大切です。
就職活動をしっかりする
企業向けの就職活動を意識しよう |
臨床工学系の学校にいると多くの方が病院系の就職活動を行うため、企業向けの就職活動の情報が入ってきにくいという問題があります。
積極的に自ら行動し、企業向けの就職活動にしっかりと取り組んでいきましょう。
企業向けの就活を意識しよう
臨床工学系の学校にいると企業向けの就職活動を意識することは少ないですが、医療機器メーカは企業です。
普通の大学生と同じように就職活動を行う必要があります。
企業向けの就職活動でいうと、3 年次の半ばから企業説明会やインターンシップが始まり、3
年次の最後にはもう就職活動が始まります
(大学院の場合は 3 年次の部分を 1 年次に置き換えて読んでください)。
想像以上に早々と行動していく必要があるため、企業向けの就職活動の波に乗り遅れないようにしましょう。
リクルートサイトに登録しよう
病院向けの就職活動の場合、大学に来ている病院向けの求人リストを参照すれば済むのですが、企業向けの就職活動の場合はそうはいきません。
リクナビやマイナビなどの就職活動支援サイトを利用して、積極的に自分から求人を探す必要があります。
必ず自身の卒業年度を対象とした就職活動支援サイトがオープンしたら、すぐに登録を済ませて情報収集を開始しましょう。
企業向けの就職活動は、職種を問わず乗り遅れると遅れを取り戻すことができないので、そのことを心に刻んで就職活動をしましょう。
就職活動における各種対策は必須
病院系の就職活動でも同様ですが、就職活動における各種対策は十分に行う必要があります。
特にも、面接と SPI などの適性検査対、履歴書策は必須です。
項目ごとに一冊ずつ購入して対策を進めましょう。
また、大学の就職活動支援センター等も積極的に活用し、模擬面接などで面接慣れしておくようにしましょう。
複数社受験は当たり前…最低 20 社程度は覚悟しよう
病院向けの就職活動の場合、1 病院ずつの受験になると思いますが、企業向けの就職活動の場合複数社受験が当たり前です。
また、医療機器メーカの研究開発職となると、ライバルは高偏差値の有名大学の学生たちになります。
臨床工学系の学校は比較的偏差値が高くない大学が多いので、心して就職活動に臨むことになります。
世間的には学歴による足切りは存在しないとされていますが、私が実際に就職活動をした感覚としては、学歴による足切りは確実に存在します。
履歴書を送っても無反応ということはざらにありますが、めげずに履歴書を送って学歴による足切りのない医療機器メーカを見つけましょう。
ちなみに、数多くの不採用通知…俗にいうお祈りメールを貰うと下の東京電力の CM
に出ている女の子のような状況に陥ります。
この CM
は私が現役就活生の時に実際に放映されていたもので、見たときにあまりに内容がリアルで号泣した覚えがあります
(あまりにリアルすぎる内容に、途中で放送中止になったようです…)。
就職活動中は肉体的にも精神的にも大きな負荷が掛かります。
時には息抜きをしつつも、医療機器メーカで開発に関わるという強い意志を持って乗り切るようにしましょう。
また、受験企業数については最低 20 社は覚悟しておくと良いでしょう。
入社後同期に「何社くらい受験したのか ?」と尋ねると、大体 20 社くらいは受験している印象がありました。
最後に
今回は、医療機器メーカの研究開発職の目指し方について、臨床工学技士を目指して勉強中の学生を対象に説明させて頂きました。
私が思う大切なことを、下記 2 点にまとめて締めにしたいと思います。
- 臨床工学技の知識を証明するために臨床工学技士国家試験や ME 技術実力検定試験は必ず取得しておく
- 周囲に流されずに企業向けの就職活動対策に取り組む
臨床工学系の学生が医療機器メーカの研究開発職に就くことは、非常に難しいのが現実ですが、しっかりと対策して就職活動に臨めば目的を達することができます。
皆さんの健闘に期待しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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