オーディオインターフェイスとして UR22mkII
を長らく愛用していきましたが、私の使用方法では入出力数が不足して生きたため、この度
UR44C を新たに購入しました。
UR44C は Steinberg から新たなスタンダード機種として発売された UR-C
シリーズのオーディオインターフェイスです。
今回は、新たに購入した UR44C について、紹介していきます。
UR44C
UR44C の同梱物は非常にシンプル |
UR44C は、前機種 UR44 と同等の 6 IN 4 OUT を備えたオーディオインターフェイスです。
UR シリーズから UR-C シリーズからの大きな変更点は、32 bit /192 kHz に対応した AD / DA コンバータを搭載している点です。
価格は 30,000 円弱程度となり、入門機である UR22C
と比較すると高価格となっていますが、豊富な入出力を備えているためそれらが必要なユーザには非常におススメできるオーディオインターフェイスです。
バンドやアンサンブル録音がこれまで以上に自由になる
UR44C。ハイクオリティな入出力、プログレードのコンポーネント、DSP
エフェクトと Mac / Windows / iPad
対応。これらすべてをコンパクトなボディに集約しています。あらゆる場所があなたのレコーディングスタジオです。
高音質 32 bit / 192 kHz
UR44C は 32 bit / 192kHz に対応 |
今回の UR-C シリーズの売りは、32 bit / 192 kHz に対応している点です。
もちろん、通常の宅録で 192 kHz
を使用する機会はほぼほぼないとは思いますが、仕様としてそこまで対応している点はうれしい部分です。
また、32 bit / 192 kHz 対応に合わせて
AD / DA コンバータが UR
シリーズから変更になっているため、音質が向上しています。
音質の感じ方は人それぞれですが、私の感覚では UR-C シリーズの方が前機種の UR
シリーズよりもクリヤで分解能が高く聞こえます (UR44C 以外同一環境、同一音源を使用して UR22mkII と比較)。
正直 UR-C シリーズと UR
シリーズ間に大きな音質の差はないと踏んで購入したので、この点はうれしい誤算でした。
また、レイテンシーも若干 UR-C シリーズの方が UR
シリーズよりも小さくなっており、この点を含めて
UR-C
シリーズは非常におススメできるオーディオインターフェイスということができます。
6 IN 4 OUT の豊富な入出力
UR44C は豊富な入出力を備える |
UR44C の最大の売りは、6 IN 4 OUT という豊富な入出力だと思っています。
この点については私が UR44C を選んだ理由として詳しく後述しますが、入力数が豊富であるため、レコーディングや同期演奏の際に非常に有利になります。
お金に余裕があるのであれば、将来性も考えて下位機種の UR22C よりも UR44C をおススメしたいと思います。
dspMixFx を搭載
dspMix は想像以上に便利な仮想ミキサー |
UR-C シリーズでは下位機種の UR22C から dspMixFx を搭載しています。
dspMix は UR44C
内で完結した仮想ミキサーで、信号を自由にルーティングすることができます。
これを利用することで、6 IN 4 OUT を最大限に生かすことができます。
また、dspFx は UR44C
内で完結したエフェクトで、モニタリング音にのみエフェクトを掛けたり、掛け録りを行ったりすることもできます。
UR44C を選んだ理由
冒頭に述べた通り、私は長らく UR22mkII を愛用してきました。
単純なオーディオインターフェイスのアップグレードであれば UR22C
を購入すればよいのですが、私の DTM 環境を充実させるために今回は UR44C を選定しました。
なぜ UR44C
を選定したのか、その理由について詳しく述べていきたいと思います。
生音の録音とエフェクト音のモニタリングをしたかった
実際の UR44C の使用環境 |
大前提として
DAW
に楽器の音を取り込む際に、生音のみを純粋に取り込みたいという思いがかねてからありました。
基本的にレコーディングを行う際は生音を取り込んだ後、音作りは DAW 上の HelixNative
でエフェクトやアンプを後掛けしたり、必要であれば実機を使ってリアンプしたりしています。
ただ、そのままオーディオインターフェイスに楽器を接続するだけではなんの色付けやエフェクトも掛かっていないため、非常に録音しにくいのが実際のところです。
もちろん、Sansamp
などのプリアンプのパラアウトを経由することで生音とエフェクト音を同時に出力することも可能です。
しかし、何かほかの機器を通過させずにオーディオインターフェイスに直接楽器を入力したほうが純粋な楽器の音に近いだろうという思いが以前からあり、多入出力を備えつつ機器内で自由なルーティングが可能な
UR44C が候補に挙がりました。
もちろん、RME の Fireface UCX
などでも同様の機能は持っていますが、あまりにも高額であることと発売時期が 8
年も前ということもあり、今回は UR44C を購入しました。
dspMix を使用したルーティング
UR44C の豊富な入出力と dspMix
を使用したルーティングは、想像以上に自由度が高いものとなっています。
UR44C の dspMix 上では
2 つの Mix
チャンネルをそれぞれ自由に設定して出力できるため、下の図のような環境を構築することができます。
UR44C のルーティング例 |
楽器の生音を 1 ch に入力し、LINE OUTPUT (2) からそのまま出力してプリアンプやエフェクターを介して任意のチャンネルに入力すれば、自分の好きな機材でダイレクトモニタリング環境を構築できます。
この環境下で DAW の録音チャンネルを 1 ch
に設定すれば、生音のみを録音することができ、その際生音をモニタリングするか否かは
dspMix 上で選択することができます。
もちろんこのようなルーティングの他にも、同期演奏時の外音とモニタリング音の設定変更もできます。
dspMix
については別途記事を書いておりますので、詳しくはそちらを参照してください。
ラックマウントサポートを販売中
UR44C の設置方法ですが、そのままデスクに置く方法が一般的かと思います。
しかしながら、私は当初からラックタイプのプリアンプと併用することを前提としていたため、ラックマウントキットが存在しない UR44C
のために、ラックマウントサポートを作成しました。
DMM make
にて販売しておりますので、ラックマウントでの運用を想定されている方は、覗いてみて頂けると幸いです。
ラックマウントサポートについても記事を上げましたので、詳しくはそちらを参照して下さい。
最後に
今回は、Steinberg の新たなスタンダートとなる、UR-C
シリーズのオーディオインターフェイスである
UR44C を紹介させて頂きました。
前シリーズの UR と比較しても、UR-C
は数値だけでなく体感上も音質が向上しているうえに、レイテンシーも小さくなっています。
また、UR44C は 6 IN 4 OUT の豊富な入出力と dspMix
を備えており、工夫次第で様々なルーティングを実践することができます。
これらのおかげで、楽器の音をそのまま録音しながらダイレクトモニタリング音を任意のプリアンプやエフェクターで行うことや、同期演奏の際外音とモニタリング音を容易に分岐することができます。
オーディオインターフェイスに豊富な入出力を求めている方は、ぜひ一度ご検討ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
バンドやアンサンブル録音がこれまで以上に自由になる
UR44C。ハイクオリティな入出力、プログレードのコンポーネント、DSP
エフェクトと Mac / Windows / iPad
対応。これらすべてをコンパクトなボディに集約しています。あらゆる場所があなたのレコーディングスタジオです。
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