※ この記事にはアフィリエイトが含まれています。
自粛ムードが漂い、良いニュースが少ない昨今ですが、気づけば Line 6 から POD Go が発売されていました。
私自身 HX Stomp を現在メイン機材として使用しており、Helix シリーズと同じ音を出すことができる上に、安価な価格帯で発売された POD Go は、非常に気になる製品です。
今回は、Line 6 POD Go はどういったユーザが購入すべきかを、HX STOMP と比較しながら考えていきます。
POD GO の特徴
「Line 6 POD Go
はどういったユーザが購入すべきか」ということについて結論から述べると、「比較的低予算の 1 台のシステムで音作りを完結させたいユーザ」だと私は考えています。そんな POD Go の特徴について、特筆すべき点をいくつかまとめていきます。
HX シリーズから厳選した音色を収録
POD Go は、HX シリーズの Amp や Stomp から厳選した音色を収録しています。HX シリーズの全ての Amp や Stomp を内蔵しているわけではありませんが、その収録内容は非常に多く、必要十分なものとなっています。
収録されている音色については、下記の POD Go の取扱説明書から確認できます。
充実した操作系
POD
シリーズ最新モデル。プロ・クオリティのサウンドとシンプルなユーザー・インターフェース、高い可搬性を兼ね備えた、マルチエフェクト初心者にも最適なプロセッサー。
POD Go は、8 つのフットスイッチとフットペダルを装備しています。
これだけの数があれば、POD Go 内の Amp や Stomp、Patch コントロールを自由に行うことができます。
また、チューナも内蔵しているため、本当に POD Go 1 台で練習からスタジオ、ライブまで問題なくこなすことができます。
同じ価格帯の HX Stomp の場合は、フットスイッチを 3 つしか装備していないため、別途フットコントローラを用意する必要がありますが、POD Go の場合はその必要がありません。
AMP OUT を搭載
POD Go の背面パネル |
POD Go は、これまでの Helix シリーズ や HX Stomp に搭載されていなかった、AMP OUT ジャックを搭載しています。
AMP OUT は、Cab / IR ブロックの前の信号を出力ことが可能で、下の図のようなワイヤリングが可能となります。
AMP OUT を有効利用したワイヤリング |
このようなワイヤリングは、ギタリストよりも D.I. を多用するベーシストになじみがあると思います。
MAIN OUT と AMP OUT を併用することで、POD Go でつくられた音は MAIN OUT から P.A. 卓に直接送り、AMP OUT から Cab / IR ブロックを通過しない音をアンプに送ることができます。
POD Go で Cab / IR ブロックを ON にしている場合に、MAIN OUT からアンプに信号をそのまま入力すると、二重にキャビネットを通過するような形になり、音質的に好ましい結果を得ることが難しくなります。
AMP OUT を積極的に利用することで、このような状況を簡単に回避することができます。
POD Go が AMP OUT を標準で備えている点は、非常に評価できるポイントだと思います。
※ AMP OUT は初期設定では MAIN OUTの信号が反映されているため、Cab / IR ブロックの前の信号を出力するためには、グローバル設定を変更する必要があります。
ちなみに、私が使用している HX Stomp には AMP OUT が存在しないため、Send Brock を利用して同様のワイヤリングを実現していました。
HX Stomp での AMP OUT の実現 |
HX STOMP との比較
POD Go の購入を検討している場合、価格帯として同社の HX Stomp が比較対象として挙がることが多いと思います。POD Go の特徴 (良いところ) については先に述べましたが、ここでは、POD Go と HX Stomp と比較したときに若干劣ってしまう点を挙げていきたいと思います。
逆に、これらの点を重視していなければ、POD Go の方を選択しても問題ないということです。
パラレルパスが使用不可
POD Go では、シリアルパス (直列接続) でしか Amp や Stomp を配置することができません。パラレルパス (並列接続) を利用したいと考えている人はそれほど多くはないかもしれませんが、Amp や Stomp を並列に接続することで幅広い音作りが可能になります。
POD Go ではパラレルパスを使用できない (画像は HX Stomp) |
さらに、Helix (HX Stomp) では並列接続部で Split (周波数分岐) を使用することもできるため、低音成分はクリーンサウンド、高音成分はディストーションサウンドなどの音作りが可能です。
音の芯を残したまま歪成分を上乗せできるので、ベーシストでは Billy Sheehan のような音作りを行う場合には必須の機能になります。
MIDI 制御不可
POD Go の場合は充実した操作系を持っているため、MIDI 制御ができないことは大したデメリットではありませんが、一応デメリットとして挙げておきます。HX Stomp は、元々持っているエフェクターボードに組み込むことを前提としているため、MIDI コントロールが可能になっています。
近年市民権を得た BOSS ES-8 をはじめとするループスイッチャーで、他のエフェクターと併せて一括管理を考えている場合は、HX Stomp の購入を検討してみてもいいかもしれません。
MIDI コントローラで制御したい場合は HX Stomp がおススメ |
無論、POD Go は充実した操作系を備えており、1 台で音作りを完結させることが可能です。
POD Go は SEND and RETURN を 1 系統備えているため、2 つ以上のエフェクターと併用 (一括管理) を考えていない場合は、POD Go でも十分対応できます。
Helix Native の割引を受けられない
私としては
Helix Native の割引を受けられない点が、最大のデメリットだと感じています。Helix Native は DAW 上で使用できる Helix のフルパッケージプラグインで、Helix シリーズの製品を持っていれば $ 99.99 (約 10,000 円) で購入できます。
Helix Native の通常価格が $ 399.99 (約 ¥43,000 円) なので、割引を利用することで、購入価格をかなり抑えることができます。
POD Go では Helix Native の割引を受けられない |
ライブやスタジオには HX Stomp を持っていきますが、自宅ではもっぱら DAW を立ち上げて Helix Native を使用して練習やレコーディング作業を行っています。
Helix Native を使用すれば、録音したギターやベースの生データに対してプラグインとしてエフェクトをかけることができます。
録音したトラックにエフェクトが掛かっていないので、音色が気に入らなかったからといって録直しを行う必要もありません。
結論
POD Go について、その特徴と HX Stomp との比較をまとめてきました。これらの内容から、最終的に POD Go を買うべきユーザとそれ以外の Helix シリーズを買うべきユーザについて述べていきます。
POD Go を買うべきユーザ
POD Go を買うべきユーザは、「比較的低予算の 1 台のシステムで音作りを完結させたいユーザ」です。65,000 円前後という安価な価格で、HX シリーズの Amp や Stomp を利用することができ、充実した操作系をもつ POD Go は非常に優れた製品です。
これ 1 台で、練習からスタジオ、ライブまで問題なくこなすことができます。
Line6 POD Go |
HX Stomp を買うべきユーザ
HX Stomp を買うべきユーザは、「既存のエフェクターを活かしてシステムを構築したいユーザ」です。HX Stomp は既存のエフェクターを活かしてシステムを構築可能 |
HX Stomp は、コンパクトな筐体で MIDI コントロールが可能な製品に仕上がっているので、BOSS ES-8 をはじめとするループスイッチャーと組み合わせることで、非常に拡張性の高いシステムを構築することができます。
80,000 円前後と価格は高いですが、既存のエフェクターを活かしてシステムを構築したいユーザには HX Stomp がおススメです。
Line6 HX Stomp |
Helix Rack、Floor、LT を買うべきユーザ
その他の Helix シリーズを買うべきユーザは、「比較的予算に余裕のあるユーザ」です。Helix シリーズは非常に強力な Amp と Stomp、拡張性を備えていますが、100,000 ~ 200,000円前後と非常に高価な価格設定となっています。
比較的予算に余裕のあるユーザは、Helix シリーズの購入を検討してみてもいいと思います。
Line 6 Helix Floor |
最後に
今回は、Line 6 POD Go はどういったユーザが購入すべきかを考えてきました。65,000 円前後という安価な価格で、HX シリーズの Amp や Stomp を利用することができ、充実した操作系をもつ POD Go は非常に優れた製品です。
近年、各メーカから非常に高品質なマルチエフェクターが発売されてきましたが、高価格帯のものがほとんどでした。
Line6 がこの価格帯で POD Go を発売したことにより、高価格帯のマルチエフェクター業界の流れが変わってくるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
POD
シリーズ最新モデル。プロ・クオリティのサウンドとシンプルなユーザー・インターフェース、高い可搬性を兼ね備えた、マルチエフェクト初心者にも最適なプロセッサー。
0 コメント